きぬフライトの大幅遅延に巻き込まれましたが、EU261法を知っていたおかげで、自力で補償金を申請して600€を受け取りました。
一時帰国のフライトが約10時間遅延。
結果として、EUの補償制度(EU261)に基づき600€を受け取りました。
しかも今回は、代行業者を使わず、自分で申請して満額受領です。
実体験をもとに、次の内容をまとめました。
- 補償の対象になる条件
- 実際の流れ(時系列)
- 申請のポイント
条件が揃えば、個人でも補償請求はできます。
同じような状況の方の参考になればうれしいです。


EU261とは?フライト遅延の補償ルール
EUでは「EU261」という規則により、フライトの遅延や欠航時に補償が定められています。
主なポイントは以下の通りです。
補償額
| 飛行距離 | 補償額 |
| 短距離 | 250€ |
| 中距離 | 400€ |
| 長距離(3,500km以上) | 600€ |
適用条件
- 到着が3時間以上遅延
- 航空会社都合(機材・運航など)
- EU発またはEU航空会社のフライト
EU261は「出発地」と「航空会社」で適用可否が決まります。
一時帰国(パリ⇄東京)を例にもう少し詳しく説明します。
EU261適用の例(パリ⇄東京)
| フライト | EU261適用対象 | |
| 欧州航空会社 (エールフランスなど) | パリ→東京 | ⭕️ |
| 東京→パリ | ⭕️ | |
| 日系航空会社 (日本航空、全日空) | パリ→東京 | ⭕️ |
| 東京→パリ | ❌ |



エールフランスはEU航空会社のため、パリ⇄東京どちらもEU261が適用されます。一方でJALやANAはEU航空会社ではないため、日本発のフライトには適用されません。
対象外
- 天候
- 空港閉鎖
- 管制など外部要因
今回のフライト遅延の概要


今回のフライト遅延の概要は次のとおりです。
- 区間:東京(羽田)→パリ(CDG)
- 遅延:約10時間
- 理由:運航上の都合(contrainte opérationnelle)
この時点で次の内容が揃っており、600€補償の対象になるケースでした。
- 長距離
- 3時間以上遅延
- 航空会社都合
実体験|遅延連絡から600€受取まで
フライト日を起点に、補償金を受け取るまでの流れを時系列でまとめます。
| フライト前日 | 航空会社から「フライトが10時間遅れる」旨が書かれたメールを受信 |
| フライト当日 | 事前案内どおり、10時間遅れで日本を出発 |
| フライト翌日 | 航空会社公式サイトから補償申請 |
| 6週間後 | 補償承認のメールを受信 |
| 7週間後 | 銀行口座に600€が振り込まれる |



申請から補償金600€の受領までは7週間かかりました。
フライト前日|遅延連絡のメール受信
フライト前日に航空会社から遅延連絡のメールを受信しました。
次の画像は、航空会社から実際に受け取ったメールの一部を切り取ったものです。


Suite à une contrainte opérationnelle, le départ de votre vol a changé.
(運航上の制約により、あなたの便の出発時刻が変更されました)



このメールを読んだ時(これは600€案件だな)と思いました。
判断したポイントは次のとおりです。
- 遅延が大きい(10時間)
- 遅延理由が「運航上の都合」
- EU航空会社



私の場合、前日にフライト遅延がわかりました。実家にいたので、空港で長時間待つストレスがなかったのは助かりました。
フライト当日の様子
空港の掲示板
羽田空港に到着後、チェックインカウンターを確認するために掲示板を見ました。
出発時刻(午前11時台)で探しても見つからず、実際には本来の出発時刻(深夜1時)の便として表示されていました。
また、他の航空会社の飛行機ははほぼ通常運航していました。



この状況からも、航空会社側の事情による遅延である印象を感じました。
ミールクーポンは使用できず
これは余談ですが、空港内で飲食ができる「ミールクーポン」は使用できませんでした。
出発前日、航空会社の公式アプリからオンラインチェックインをした際に、ミールクーポンの提示があったのですが、最終的にダウンロードできませんでした。


フライト当日になってもミールクーポンをダウンロードできなかったので(もしかしたら、チェックインカウンターでもらえるのかな?)と思っていました。
空港で預け荷物用のカウンターの列を待っている間に航空会社の職員の方に質問しました。
「空港で待機している人向けのクーポンが表示されてしまったようですが、使えません」という説明を受けました。



今回は前もって知らされていた遅延だったので対象ではなかったのかもしれませんが、ミールクーポンの対象になる時は使った方がいいですね。
補償金請求の手順
航空会社への補償金請求の手順を実体験ベースで紹介します。



実際の申請はそこまで難しくありません。
申請の流れ
公式サイト「Réclamations(請求)」のページを開く。
Votre requête concerne un vol Air France, KLM ou Delta Air Lines > Déposer une réclamation
ログインしていたら該当するフライトを選択する(または、フライト情報を入力する)>Irrégularités et correspondancesを選択する



Irrégularités(不規則なこと)は遅延・欠航・スケジュール変更などを指しています。
Un vol retardé(遅れたフライト)を選ぶ。
航空券予約時のメールアドレスを入力する。
Virement(銀行振込)を選ぶ。



Avoirを選ぶと「エールフランスだけで使えるクレジット」がもらえます。有効期限もありますし、現金化はできませんから注意してください。


“J’accepte les conditions d’utilisation”にチェックを入れる
vous recevrez un paiement dans la monnaie locale de votre banque.
あなたの銀行口座の通貨で振り込まれます。


EU261の600€とは別に、フライト遅延が原因で発生した費用(タクシー代、ホテル代、食事代など)を航空会社に返金してもらうために、必要に応じて入力する。
- 上の空欄:金額
- 下の空欄:コメント





私は実家で過ごしていましたから、特に費用は発生しなかったので、金額欄は0(ゼロ)にしました。コメント欄は空欄にするつもりでしたが、入力必須と表示されたので、次のとおり入力しました。
【入力例(フランス語)】
Aucune dépense supplémentaire n’a été engagée à la suite de cet incident.
Ma demande concerne uniquement l’indemnisation prévue par le règlement (CE) n°261/2004.
この件で追加費用は発生していません。
EU261に基づく補償金の請求のみです。
補償金が認められた場合の振込先の銀行口座情報(IBAN)を入力する。
次のようなチェック欄があります。
Je ne souhaite pas transmettre mes coordonnées bancaires en ligne.
オンラインで口座情報を送信したくありません。



口座情報を入力後、私はこの欄にチェックは入れませんでした。オンラインで口座情報を伝えてしまった方が、振込処理が早く進むと思ったからです。チェックを入れた場合、改めて口座情報のやり取りが生じそうな気がします。
入力内容を確認する。
入力内容に間違いがなければ、Soumettre(提出する)をクリックする。
Réclamation envoyée(請求を送信しました)と表示される。
入力したメールアドレス宛に確認メールが届く。



補償請求の手続きは、これで完了です。追加確認や書類の提出を求められることが稀にあるようですが、私の場合は追加手続きはありませんでした。なお、公式サイトに手続きの進捗状況を確認できるページがあります(公式サイト Suivre votre dossier)
6週間後|補償金600€が承認された
申請から6週間後に、航空会社から補償金600€を振り込む旨の連絡がメールで届きました。
実際に届いたメールの一部抜粋は、次のとおりです。
J’ai le plaisir de vous informer que vous avez droit à une indemnisation, conformément au règlement CE n° 261/2004. Cela vous sera remis sous la forme d’un virement bancaire d’un montant de 600 EUR.
EU261に基づき、補償を受ける権利があることをご案内します。600€は銀行振込でお支払いします。
7週間後|600€が振り込まれた
申請から約7週間後、航空会社からの入金600€を銀行アプリで確認しました。


エールフランスから600€が振り込まれています。



600€を受け取っただけでなく、自力で補償請求できたこともうれしかったです。
補償請求は代行サービスも利用できる
フライト遅延の補償金は、自分で請求するだけでなく、代行サービスを利用することもできます。
代表的なサービスのひとつが、AirHelpです。
成功報酬型のため、補償金が支払われた場合のみ手数料が発生し、初期費用などの持ち出しはありません。
今回は自分で申請した理由
今回は代行業者は使いませんでした。
理由はシンプルです。
- 条件が明確だった
- 自分で対応できると判断
- 手数料を払いたくなかった



結果として、600€をそのまま受け取ることができました。
代行サービスを使った方が良い場合
一方で、すべて自力が良いわけではありません。
次のような場合は代行業者が向いています。
- 遅延理由が曖昧
- 航空会社が拒否してくる
- 乗り継ぎトラブル
- 語学や手続きに不安がある
手続きが不安な場合や、航空会社とのやり取りが面倒な場合は、代行サービスを使うのもひとつの方法です。
AirHelpは成功報酬型なので、補償が認められなければ費用はかかりません。
まずは自分のフライトが補償対象か確認してみるのがおすすめです。
よくある疑問(FAQ)
- フライト遅延で本当に補償金はもらえるのですか?
-
はい、条件を満たせば補償金は支払われます。EUの規則(EU261)に基づき、到着が3時間以上遅れ、かつ航空会社都合の場合は補償対象になります。今回のように長距離便であれば、最大600€の補償を受け取ることが可能です。
- どんな場合は補償の対象外になりますか?
-
次のようなケースは補償の対象外です。
- 天候不良
- 空港閉鎖
- 管制指示などの外部要因
一方で、機材トラブルや運航上の都合は、基本的に航空会社側の責任とされるため補償対象になります。
- チェックインしていなくても請求できますか?
-
はい、請求できます。重要なのは「フライトに搭乗する予定だったこと」であり、オンラインチェックインの有無は補償の可否に影響しません。
- 空港でバウチャー(食事券)をもらうと補償は減りますか?
-
減りません。バウチャーは「待ち時間中のサポート」であり、補償金(EU261)とは別扱いです。
受け取っていても、補償金はそのまま請求できます。 - 補償金はどこに振り込まれますか?
-
申請時に入力した銀行口座(IBAN)に振り込まれます。フライト予約購入時に支払ったクレジットカードではなく、銀行口座に直接振込まれます。
- 実際にいくら入金されますか?
-
条件を満たしていれば、フライト距離(短・中・長距離)に応じた金額が支払われます。今回のように日本発パリ行の便の場合、長距離便に該当するので、600€入金されます。
- 申請から入金までどれくらいかかりますか?
-
明言はできませんが、目安としては2か月程度を考えると良いかもしれません。今回のケースでは、申請から入金まで約7週間かかりました。なお、公式サイトに手続きの進捗状況を確認できるページがあります(公式サイト Suivre votre dossier)
- Q. 英語やフランス語が不安でも自分で申請できますか?
-
基本的な入力ができれば問題ありません。WEB翻訳やAIを活用すれば対応できるでしょう。ただし、不安がある場合ややり取りが面倒な場合は、AirHelpのような代行サービスを利用する方法もあります。成功報酬型のため、補償が認められなければ費用はかかりません。
- どんな場合は代行サービスを使った方がいいですか?
-
次のようなケースでは代行サービスを使った方が良いでしょう。
- 遅延理由がはっきりしない
- 航空会社に一度断られた
- 乗り継ぎや複雑な旅程
- 語学や手続きに不安がある
- 欠航やオーバーブッキング、乗り継ぎに乗れなかった場合も補償されますか?
-
はい、条件を満たせば補償対象になります。EU261では、次のようなケースも補償対象です。
- フライトの欠航
- オーバーブッキングで搭乗できなかった場合
- 乗り継ぎ便に間に合わず、最終到着が3時間以上遅れた場合
特に乗り継ぎの場合は、「最終目的地への到着時刻」で判断されます。そのため、途中の遅延が原因で最終到着が遅れた場合も補償の対象になる可能性があります。
- 日系航空会社(ANA・JALなど)でも補償は受けられますか?
-
条件によって異なります。EU261は以下のいずれかを満たす場合に適用されます。
- EU圏内から出発するフライト
- EUの航空会社が運航するフライト
そのため、
- 日本発の日本の航空会社(ANA・JAL)のフライト→ EU261は適用されません
- EU発の日本の航空会社のフライト→ EU261が適用される可能性があります
なお、EU261が適用されない場合でも、航空会社独自の対応(返金・振替など)は受けられます。
まとめ|フライト遅延時の補償金請求は難しくない
- EUでは「EU261」という規則により、フライトの遅延や欠航時に補償が定められている
- 3時間以上の到着遅延・欠航、航空会社都合、EU出発便またはEU航空会社の条件が揃えば補償対象
- 航空会社の公式サイトから申請できる
- フライト遅延・欠航の補償請求を代行するサービスもある
